クリエィティブ人材は育成できるか?:博報堂大学の挑戦:Learning barが終わった!

 5月のLearning barは、「クリエィティブ人材は、いかに育成できるのか?:コーポレートユニバーシティ"博報堂大学"の挑戦」というテーマで、株式会社 博報堂の田沼泰輔さん、渡辺啓さんにご講演いただいた。

 博報堂では、「博報堂大学」というコーポレートユニバーシティ(企業内大学)を設立し、「構想力」のある人材の育成に尽力している。

 今日のLearning barでは、その概要と、大学内で設立されたラボの活動について、具体的に事例をあげて解説いただいた。

 会場は満員御礼。今回は140名の募集のところ、300名弱の応募があった。(応募者すべてのご要望にはお応えできない状況が長く続いている。本当に申し訳ないと思いつつ、参加者の多様性を確保するため、応募者を職種ごとにわけて、その中で抽選をせざるをえない状況です。ご理解のほど、お願いいたします)

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 下記は、はじまる前の、田沼さん、渡辺さんとの打ち合わせの風景。お二人には、お忙しい中、ご講演をいただいた。

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 ご講演の様子。田沼さんには、博報堂の経営戦略と人材マネジメント施策、そして博報堂大学の位置づけについてお話しいただいた。

 渡辺さんには、博報堂大学の中での活動「構想サロン」「ゼミ」「構想ラボ」についてご教示いただいた。

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 コーポレートユニバーシティとしての博報堂大学の特徴は、「構想サロン」「ゼミ」「構想ラボ」という3つの仕組みにある。

「構想サロン」では、外部の有識者をまねき、講演などを行っている。その中で、さらに探求したいテーマが生まれると「ゼミ」が生まれ、さらにこれを社会に発信する仕組みとして「構想ラボ」が位置づく。

 ラボに参加する社員は、自分の仕事を抱えながら、探求活動に取り組む。当日は、「おとなが失った"こどもごころ"をとりもどすための試み」として、「こどもごころ製作所」のラボ活動を詳細にご紹介いただいた。
 
 ご講演終了後、ラーニングバーでは恒例の「お隣ディスカッション」がはじまる。お近くに坐った方同士で、25分間のディスカッションに従事していただいた。

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 また、今回からはじめての試みとして、携帯電話を使った「質問募集」も行った。いわゆる「ケイタイフィードバック」である。

 田沼さんや渡辺さんがご講演をなさっているあいだ、参加者の方々がが、自分のあたまの中に生まれた質問や疑問を、携帯電話で僕のメールアドレスにおくっていただく。

 机の上にはQRコードを印刷した紙があるので、もし、メールアドレスの入力が面倒な方はこれを利用できる。

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 お寄せいただいた質問は、僕が即座にノートPCでまとめて、提示できるように準備しておく。

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 今回は約60件の質問をお寄せいただいたが、その中で、共通点の多かったものについて、田沼さん、渡辺さんにお答えいただく、という仕組みである。結局、セッションでは60件のうち、15件くらいの質問をお二人にお答えいただいた。

 中には「小学校の現場の先生」からもご質問をいただいた。

「クリエィティブな人材を育成なさっている博報堂さんとしては、今後、小学校、中学校、高校ではどのような教育がなされるべきだと思いますか」

 との質問は、会場を沸かせていた。ちなみに今回のLearning barでは、約10名ほどの小学校、中学校、高校の先生にご参加いただいた。
 あと、以前はおこしいただけなかった省庁、市役所の職員の方、病院関係者の方などが最近増えてきている。本当に参加者のバックグラウンドが多様になってきたように思う。非常に素晴らしいことだと思います。

 質問の中には、「こどもごころ製作所で、実際に活動をなさっていた方のフィードバックをお聞きしたい」というものもあり、百合岡さんに、その活動の様子を語っていただいた。

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 最後は、僕がラップアップを述べた。
 1)クリエィティビティとは「型を壊すこと」であるので、何よりもまず「型」がなくてはならないこと、2)クリエィティビティを促す場とは「多様な人々」から構成されるだけではいけないこと、そこをいかにファシリテーションするかが課題であること、などを述べた。

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 冗談で

「背中に包丁をつきつけられている状態で、クリエィティビティが発揮できるか!」

 とついでに申し上げたが、これは実は本音だったりする(笑)。クリエィティビティには、「リダンダンシー」「ゆとり」といったものが必須であると考える。

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 最後になりますが、博報堂の田沼さん、渡辺さん、百合岡さん、本当に素晴らしいご講演をありがとうございました。
 また、今回も引き続きLearning barを支えてくれた東京大学大学院の院生諸氏、林さん、牧村さん、岡本さん、脇本君、山田君、舘野君に心より感謝いたします。ありがとうございました。
 お気づきになられたかたもいらっしゃるかもしれないが、今回のLearning barは飲食のスタイルを、大学院生さんの創意工夫で変更した。なにせ140人分の飲食の準備である。やり方がかなりかわったので大変だったと思う。重ねてありがとうございました。

 次回のLearning barは6月13日!(昨日は間違ってお伝えしました!すみません、、、6月13日が正確です!)

 テーマは

「組織が大切にしている価値観や理念といったものをどのように広めることができるのか?」
 
 リクルートワークス研究所 Works編集長:高津尚志さんをお招きし、「語り」「対話」「共体験」をキーワードにした、株式会社デンソーの組織理念浸透のプロジェクトについてお話を伺う予定である。

 そして人生は続く。

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追伸.
 明日からサンディエゴで開催されるASTD(米国教育訓練協会)の大会に参加する。また最新の様子をレポートします。
 お楽しみに!

  

投稿者 jun : 2008年5月31日 10:09