専修免許と給与

 昨日、僕はブログに下記のようなヘルプメッセージを書きました。

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日本の場合、教員の方が大学院を修了して、専修免許を取得して現場に戻った場合、収入は年間でいくらほど増えるのでしょうか。今、原稿を書いているのですが・・・・なかなか資料が見つからず困っています。アメリカの場合は、僕の知り合いが、60万ほど増えるといっていました。

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 この質問に対して、Gorotsukyさんからのコメントに加え、何件かの現場の先生方の経験をいただきました。お忙しいところ、本当にありがとうございました。

Gorotsukyさんのコメント
http://www.nakahara-lab.net/blog/2006/10/post_448.html#comments

 また、行政を担っている方からも情報をいただきました。ありがとうございました。余談ですが、現場の先生方の多忙化も問題になっていますが、彼らも、毎夜深夜3時4時まで仕事をしています・・・。その仕事ぶりは本当に頭が下がります。

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 この問題、結論はどうかと申しますと、下記にまとめられます。

1.そもそも免許状の種類と給料は連動する仕組みになっていない。給料が連動するのは、「採用時の学歴」である。

2.採用時、学部卒か院卒かで、初任時の号俸が異なる。一方、一回採用されてしまった後で、修士や博士をとっても号俸は変わらない。

3.これは現在、各都道府県の給与規則で決まっている。ということは、要するに都道府県の判断によって、優遇措置を実施できることもできる。

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 ただ、Gorotsukyさんのいうように、管理職登用の際には優遇される可能性があったり、大学院がそのキャリアパスとして機能している県もあるようですので、あまり一概には言えません。

 まぁ「学歴と給与があまり連動しないこと」は、教育に限らず、日本社会では、どの領域でも多かれ少なかれ、そういうものです。アメリカでは、MBAを取得すると、大学院によっては給与が260%あがります(これも格差があります・・・有名大学のMBAでは、それだけあがりますが、地方大学のMBAでは、あまりあがりません)。対して、日本ではあまりそういう事例は聞きません。それと同じことです。

 もちろん、こうしたあり方が、よいことなのか、ということに関しては議論が分かれるところでしょうけど。皆さんは、どう思われますか。

  

投稿者 jun : 2006年10月26日 08:30