私の頭の中の消しゴム、専門用語禁止
映画「私の頭の中の消しゴム」を見た。
あらすじはこんな感じ。
物忘れが多いスジンと、建築家のチョルスが、ある日、コンビニで偶然出会う。その後すぐに、偶然再会した二人は恋に落ち、紆余曲折をへて結婚。しかし、幸せな結婚生活は長く続かない。
日々物忘れがひどくなっていくスジンが、病院で検査をしたところ、若年性アルツハイマーと診断される・・・。
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「おいおい、アンタはクリントイーストウッドか?」と問いかけたくなるところや、「劇臭のする愛の言葉」など、ツッコミどころ満載の映画ではあったけれど、楽しく見ることができた。
それにしても「記憶を徐々に失う」、しかも、「記憶を失っていくプロセスを自分で自覚してしまう」という若年性アルツハイマーの境遇とは、なんとも過酷なことだなぁと思った。
月並みではあるけれど、もしも、自分がこの病気にかかったら、僕は何を思い、どのように行動するだろうか。最後には身体制御の機能も失われ排泄まで、身近な人に依存しなければ生きていけないとしたら、僕はどうするだろうか。
もしも、僕を介護してくれる人が、まだ若く、十分人生のやり直せるのだとしたら、僕は何を思うだろうか。
いくつもの「もしも」を重ねながら見た。
とても考えさせられた。
5月13日からは、同様のテーマを扱った日本映画「明日の記憶」も公開されている。こちらの方も、見に行きたいなと思った。
明日の記憶
http://www.ashitanokioku.jp/
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何とか、今書いている論文が、残り2節のところまでいった。あとは評価と考察を書くだけ。「SPSSな日」が数日続く模様。
それにしても、「隙間時間の執筆」、さすがに疲れた・・・。次から次から新しい問題が日々生まれている状態での執筆。こんな状態が長く続くのは、精神的にシンドイ。なんか自分がダメになっていっている気がします。
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先日、「僕は絵を描きながら考える」というネタをblogで書いたら、「他にコツはないんですか?」と何人かの人に聞かれた。
もうひとつ「僕のやっていること」をご紹介。
名付けて、「専門用語禁止」。
前にお正月番組で、タモリとさんまが、英語を使わないでゴルフをやっていたじゃないですか。あれと同じで、いっさい「専門用語を禁止して、モノを考えること」です。
僕は論文の構想をねるとき、仮説をつくるとき、システムを考えるとき、「専門用語の使用禁止」を自分に課します。
「ここでは、learning communityをつくる」
「いわゆる熟達化のプロセスを見る」
「collaborative learningで学んでもらう」
とか死んでもいいません。敢えて、誰でもわかる言葉で、具体的に具体的に語ることにします。
誰が(Who)
いつ(When)
どこで(Where)
何を(What)
誰と、誰に対して(Whom)
どのようにする(How)
のかを、ひとつひとつ確認していく。そして、最後に「So what?・・・で、結局なんなのか(結論)」と「Why so?(なぜそうなのか?)」に答える。これらによどみなく答えられれば、もう研究は7割できたも同じなのです。
いや、研究だけじゃないよ、きっと。ビジネスだって同じだと思うよ。「マーケティング」とか「BtoB」とか、そういう言葉を使わないってのは、結構過酷だと思うけど。
じゃあ、こんな面倒なことをするのは、なぜか?
それは簡単です。
「専門用語使うと、誤魔化すから」「専門用語を使うと、わかった気になる」からです。さっきの文章だって、「learning community」「熟達化」「collaborative learning」という言葉以上、思考が前に進まないでしょ。そこで、判断停止になる。それを防止するのです。
本当に自分の書きたいこと、自分の作りたいものがわかっているのなら、具体的に語れるはずです。そして、学ぶメリット、学べるメリットを具体的に具体的に提示できるはずです。それができないのなら、「わかってない」ってことですね。
「わかってないことをわかるため」に、「わかってないことをクリアにするため」に僕は、敢えて「専門用語禁止」をしています。
こういうコツ、大学院時代に身につけました。
研究者によって、いろいろコツをもっているんでしょうね。他の研究者のコツも知りたいものです。
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今日も「とんぼがえり京都出張」。
投稿者 jun : 2006年5月18日 07:47