魁 ○○塾 : 学習科学の研究会

 来年度から、山口さん@宮崎大学、西森さん@メディア教育開発センター、望月さん@神戸大学と僕が中心になって、「学習科学を集中的に勉強する研究会」を東大で開くことになりました。前からやろうやろうとは言っていたんだけど、先日話す機会があったとき、盛り上がって、決定してしまいました。

 Stahlという人の書いた"Group cognition"という本と(近日公刊)、The Cambridge handbook of Learning Sciencesというを5回の研究会で読もうという計画です。

 イメージでいうと、学習科学の基礎的な知見をゼロから学ぶイメージでしょうか。どちらかというと、最先端の知見をガリガリと読むというよりは、足腰を鍛える、イメージです。ここ数年の新しい知見はふんだんに盛り込まれていると思いますけど。

Group cognition
http://www.amazon.com/gp/product/0262195399/sr=8-1/qid=1143383247/ref=pd_bbs_1/002-2974312-8491210?%5Fencoding=UTF8

 これまで学習科学というと、「How people learn」などが定番の教科書ということになっていましたけど、今回、それとはちょっと毛色の違う新しい本がでたということで、これを読もうということになりました。

   

 今回メンバーには、5回の研究会にすべて出られる人を近日中に募集するつもりです。「できるときだけ参加」というのは原則さしひかえ、オブザーバとしての参加も受け付けないことになりました。つまり、レジュメの作成、議論への参加をお願いしようということです。

 これは僕の信念なのかもしれないし、僕の研究上の背後仮説だと思うのですが、チームとは単に一緒ににいるということではないように思います。まして、お互いに助け合うと言うことでもありません。チームとは、相互に貢献しあうということ、相手に何ができるかということです。そういうピリッとした関係を、僕はチームとよびたいと思っています。で、今回は、そういうチームライクな研究会を開催しようと言うことになりました。

 人数は場所の都合があるので、15名くらいとなるでしょうか。募集はメルマガでも行いますので、もしまだの方がいらっしゃったら、ぜひ、どうぞご加入いただけると幸いです。

NAKAHARA-LAB メルマガ
http://www.nakahara-lab.net/mailmagazine.htm

 日程は、今のところ下記を予定しています。たぶん変更になるとは思いますが、一応、第一報までに。

 6月21日(水曜日)午前10時 - 午後5時まで
 7月26日(水曜日)午前10時 - 午後5時まで

 8月は夏休み

 9月13日(水曜日)午前10時 - 午後5時まで
 10月25日(水曜日)午前10時 - 午後5時まで
 11月29日(水曜日)午前10時 - 午後5時まで

 10時から5時までって、すごいハードですよね。でも、終わらないんですよ、このペースでやらないと。

 研究会の性格としては2つをめざしたい。

 まず第一に、ハードな研究会にしたいということになりました。研究知見の啓蒙をめざす場、一般の人にわかりやすく伝える場としては、BEATなどで僕もいろいろな公開研究会に関与しています。今回はむしろ、モロ・研究を志向する場にしたいと想っています。

 第二に、そうであるとはいえ、学部生や大学院生など、若い人たちにもどんどんと参加してもらえる場にしたいと思います。願わくば、この研究会がひとつの研究コミュニティになればいいのかなと思っています。

 研究会の名前はまだ決まっています。山口さん、西森さん、望月さんらとは、「魁 ○○塾」みたいにしようか、と冗談を言っていましたけど。

 また詳しいことがわかり次第、お伝えいたします。ぜひ、ふるってご参加下さい。

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投稿者 jun : 2006年3月26日 23:45