|
"Spring comes"
by Miwa
2004/05/16 米国の大学教員の気になるサラリー こちらの人たちとも少しずつ会話をする機会も増えてきて、今まではわからなかったことが、わかるようになってきた。 先日、ある人から聞いた話でおもしろかったのは、アメリカの大学のセンセイ、つまりは、教授(Professor)、助教授(Associate Professor)、準教授(Assistant Professor)の給料のことである。 ちなみに、準教授というのは、日本では講師/助手にあたるのかな。少なくとも、MITでは、Research AssistantやReseach Assosciateとは、日本でいうところの助手をささない。 修士・博士課程の大学院生が学びつつも、研究室で仕事をしているというのは、以前の日記で書いたけど、そういう人たちが「I'm working as a research assistant in this lab.」という感じで使う。 おっと、話がそれた。サラリーに話を戻そう。
僕の知っている日本の旧・国立大学を例にとって話を進めたい。日本の旧・国立大学の場合、少なくとも4月までは、大学教員の月額基本給は、下記の表のとおりきまっていた。この表、あんまり知られてないことだが、実は誰でもそれを見ることができる。人事院のページでドドーンと紹介されている。実際の給料は、これに諸手当がつく。
人によって、この俸給表のどこからはじまるかはわからない。職歴、学歴、年齢などが勘案されてきまるんだろう。給料は、年に一度昇級する。人によっては、1年で2段階あがる場合もある。しかし、現実は、ほとんど年功序列であったように予想する。 これに対して、どうも米国の大学教員の給料制度というのは、激しく異なっている。それは下記のようにまとめられる。
いかがだろうか。こういうこと、あまり知らなかったので、僕も聞いたときは、その違いにとてもびっくりした。なんかプロ野球選手みたいだなぁ、と思ってしまった。もちろん、日本の大学も独立行政法人後はどうなるかわからない。いつかの大学では、近い将来、アメリカの大学みたいになっちゃうかもしれない。 どちらの制度がよいかは、人によって判断がわかれると思う。 この「日記」を読んでいる方の中には、大学の関係者の方もいらっしゃるとは思いますが、皆さんは、どう思いますか?
追伸. 最後のセンテンスで、「日記」と書いたが、日付の適当さ(今日の日記はなんと5月16日の日記である・・・本当は5月13日(3)とかつければよいのだが、ヒマなのか、と思われるのがイヤなのでそうしてない。それにしても、こちらにきて書くことが本当に多い。)からもわかるように、僕の「日記」は、全く日記ではない。もともとが「日記」としてはじまったので、「日記」と名前がついている。帰るのも面倒くさいのでそのままにしているだけである。 僕の場合、ひとつには、このスペースを自分が知り得た情報を形式知化するための場として考えている。グーグルでサイト内検索をすれば、僕が経験したことで、印象に残ったことは、世界中どこにいても、検索できる。あとで使いそうなことは、すべてここに一元化されているので、検索場所に悩む必要がない。もちろん、日記はメインメモリではない。メインメモリは、肌身離さず持ち歩いているラップトップである。僕のラップトップには、これまでの情報、データが30GBほど格納されている。日記は、さしずめ、そのデータへのインデックスである。 また同時に僕はこの場を、社会的コネクションをつくる場として考えている。事実、これがきっかけになって、仕事の話が進んだりすることが実に多い。ちなみに、最近の就職では、候補者の名前をGOOGLEに入れてまず検索するという話を聞いたことがある。自分が運営しているサイトが、就職の決め手のひとつになったという話も複数の人から聞いたことがある。 2004/05/15 Educational research should be fun! ついに科学教育プロジェクトが始動した。ここまでくるまでに、長かった。たたき台となる構想、そして各人との調整に数ヶ月かかった。 ここ数日、最終的な合意事項を確認するための2つの会議をへて、ようやくスタートまでたどり着いた。メンバーとの議論は、とてもオモシロク、あっという間の2時間のテレビ会議だった。昨日のテレビ会議は、マサチューセッツ州ボストン、千葉、神戸、宮崎を結んでの多地点会議である。 記念すべき第一回ミーティング プロジェクトの本格化は2005年4月である。それまで当面は、勉強会やコアコンセプトの捻りだしを行う。とてもおもしろいことができそうで、今からワクワクしている。 Educational research should be fun! 2004/05/14 つながり 最近、MITのいろいろな人たちとの「つながり」が以前よりも感じられるようになってきた。アポをとってオフィシャルにあったりするのではなく、より自然な「つながり」っていうのかな。こちらにきてもう少しで4ヶ月。ようやくのことである。 研究室の人たちとたわいもない話をしたり、ランチに一緒にいったり、こちらのプロジェクトに部分的に参加したり。 今日は理論物理学が専門のセンベン先生と一緒にランチにいって、科学教育について議論した。その後、ジョン=ダワー先生、宮川先生、デザイナーのスコットにお逢いした。これから少し彼らのプロジェクトであるVisualizing Cultureのお手伝いをすることになった。 ちなみに、ジョンダワー先生は、高名な歴史学者。「敗北をだきしめて」という本で、ピューリッツアー賞を受賞された経歴をお持ちである。今、彼らは、「広島」をテーマにしたプロジェクトに取り組んでおられる。 うっすらと見え始めてきている「つながり」、些細なことからもしれないが、ここまでくるまでに本当に大変だった。そう、本当に些細なことなんだ。が、なぜだか嬉しい。 2004/05/13 Fear Factor こないだテレビをザッピングしていたら、NBCの「Fear Factor」という番組にぶち当たった。「Fear factor」は、何人かのチャレンジャーが「危険な課題」「気持ち悪い課題」に挑戦し、最終的に勝利を収めた人が500万円をもらうという番組。ちょっと、古いかもしれないが、昔々、日本でも「ザ・ガマン」という番組があった。これにそっくりである。 しかし、ザ・ガマンとは、その課題の激しさが比べモノにならない。一番、仰天したのは、「Morgue」という課題である。 まず、透明のふくろの中にまず挑戦者が入る。挑戦者の両手は、鎖で縛られていて、鍵がかけられる。片方の手にだけ、鍵を握らせられる。そのあとで、ゴキブリなどのバグ(虫)を、透明袋にガンガンとつっこむ。で、バグが透明袋いっぱいに入ったところで、ジッパーでしめ、暗闇にもっていく。挑戦者は暗闇の中で、バグにカラダをかじられながらも、何とかして脱出しなければならない。
焦れば焦るほど、脱出はむずかしくなる。手がすべったり、鎖がからまったりしてしまう挑戦者もいる。「it smells horrible」と言っていたところから判断するに、オイニーも強烈なんだろう。油断すると、パンツの中や口の中にまで、バグが入ってくる。 いやー、ひどい。かくいう僕も品がよい人間ではないが、この番組のオゲレツさには、参った。食事中には決して見てはいけない。 いくら500万もらえるからといって、よくでるよなぁ。僕が見た会は、女性だけだったけど。いやー、たくましい。さすが肉食ってるだけあるわ。僕だったら、きっとそのまま天に召されるな。恐るべし、アメリカ。 2004/05/12 CSCL MLの解散 今から6年前になるだろうか、僕がまだ阪大の修士課程の学生だったときに立ち上げたメーリングリストで、CSCL ML(メーリングリスト)というのがある。このMLは、CSCL研究会という自主研究会の情報交換のために設置されたものであった。 CSCL研究会は、1)毎週末、お互いの研究の進捗状況を報告しあう会をひらき、お互いに関与できる部分があれば、積極的に助け合うこと(研究会はファミレスで開催された・・・ドリンクバーだけで数時間ねばる迷惑な客だった)、2) 研究会メンバー全員で共同研究プロジェクトを推進すること、3)たまの週末には飲みにいく、というの3つの目的をもっていた。最後の目的はもちろん明文化されていなかったが、本当によく飲んだ。メンバーは、全員が、当時の教育システム工学講座に所属していた学生の有志たちであった。 今となっては、遠い昔のことのように感じられるが、当時は、様々な理由によって、お互いの研究に、あるいは生活に、大変な時期を過ごしていたときであった。 少なくとも、僕が、どんなに、このMLのおかげで救われたか、そのことを考えるだけで感慨深い。今、研究を続けているのは、疑いもなく、この研究会のメンバーたちと楽しく愉快にコラボレーションできたからである。 幸いに、みんなで協力・貢献しあい、この研究会が主催となって、様々な本読み会が開催され、そして、たくさんの開発物や研究成果が生まれた。 このたび、最後のメンバーである松河君@大阪大学が、就職したことをきっかけに、このMLを閉じることにした。当時、CSCL研究会であーだこーだ言っていたメンバーは、もう大阪大学の研究室には一人もいなくなった。これが、ひとつの「けじめ」であると思った。 6年 長いようで短かった気もする。 最後のメールを発信したあとで、松河君からメールがきた。
いつも、「へりくつ」満載の彼だが、たまには良いこと言う。 2004/05/11 出来事 最近の出来事を3つ。 1つめ。 このあいだ、MITの「Infinite Corridor(MITにある長い長い廊下のこと)」を歩いていたら、MIT Open Coursewareの募集広告を発見。今月、MITを卒業する人を対象にして、デパートメント・リエゾンになる人を募集していた。 デパートメント・リエゾンというのは、各学部に所属し、ファカルティのサポートを行う職種のこと。各学部の卒業者が、そのままデパートメント・リエゾンになる仕組みになっている。 募集には、こんなことが書いてあった。
デパートメントリエゾンの仕事を達成には、「内容に関する知識」と「テクノロジーに関する知識」の両方が必要ですので、その学部の卒業生が就任するのが最もふさわしいですね。 それにしても、こんな風に募集してるんだ。どんな人がくるんだろうか。 2つめ。 これは涙なしには語れない。僕はだいたい週4回程度はジムやプールで運動しているんだけど、先日、プールからあがって「さてカイパンを脱水機にでもかけようか」と思ったら、中にクリップ!?みたいに先の尖ったものがはいっていたらしく、ガーッと回したら、カイパンのケツのところがビリビリに。 オーノー。しょーがないので、帰りにMITのクープにいって新しいカイパンを買うはめに。種類が全然なくて、選ぶ余地なしだった。さすがに「MIT」ってドカーンって書いてあるカイパンは恥ずかしいので、やめた。 誰だ、こんなイタズラするヤツは!、イジメか? 3つめ。 先日、MITを歩いていたら、クープにN95マスクを発見。そう、SARSウィルスからも身を守れるというやつです。2ドルかそこらで売られていたので、思わず買ってしまった。なんでクープにこんなものがあるんだろう? でもね、日本で買ったら、これ高いんです。ということで、何に使うかはしらないけれど、物欲がわいてきた。まぁ、備えあれば憂いなし、ということで、東京の自宅の避難グッズに加えておこう。
追伸. 今日のおもしろかった一言。
・・・僕も次回は参加させてください。 2004/05/10 号外!「大学経営戦略セミナー 社会人大学院の未来」申し込み開始 記念すべきメルマガ第一号は、「大学経営戦略セミナー 社会人大学院の未来」のお知らせになりました。メルマガに登録頂いた皆様、届きましたでしょうか? このセミナー、(株)リクルートの協力のもと、11月11日、25日と東京、大阪で開催されます。これに参加すれば、1) 社会人大学院の市場動向、2) 社会人大学院の最新事例、3)社会人大学院の募集広報戦略など、めったに聞けない情報がすべてわかる!? まだ、一部の講演者については決まっていませんが、また詳細が決まり次第、お知らせ致します。 どなたでも無料でご参加いただけますので、ふるってご参加ください。なお、お近くに興味・関心のおありの方がいらっしゃいましたら、下記メールを御転送のほど、よろしくお願い致します。
2004/05/10 MITのMOTプログラム 毎月MITで開催されているボストン日本人研究者交流会に参加した。この会は、MITやハーバード、ボストン大学の日本人研究者(学生)たちの交流会。交流会といっても、いわゆる「ナンパ」な感じは微塵にもない。議論や質疑応答のときなどは、かなり本気である。とても知的な会だ。毎月それぞれの分野の最先端の話が聞けるので、なるべく参加しようと思っている。
今日の話は、MOT(技術経営:Management of Technology)の話と天気予報の話だった。どちらの発表もオモシロかった。天気予報の発表をなさった方は、MITのPh.D.コース3年(日本で言うと博士課程1年)の学生さんだったが、とてもプレゼンがうまく、「天気予報の歴史や課題」について理解することができた。 交流会のあとの懇親会では、MITスローン経営大学院に通っているお二人の方々、紅林さん(NEC)、木内さん(富士ゼロックス)らと技術経営について話した。お二人はまさにMOTプログラムの1年修士課程に参加し、1ヶ月後にはご卒業なさるとのことであった。 MOTといえば、MITスローン経営大学院が誇る教育プログラム。20年以上にわたって、たくさんの「技術と経営のわかるエグゼクティヴ」を輩出し続けている。日本では、去年かな、経済産業省が主導して、国内の大学を集めて、教育プログラム開発事業を行っていますね。
でもね、聞くところによると、MITのMOTプログラムは、もう単独の教育プログラムとしては、今セメスターで発展的解消されるそうです。エグゼクティブ向けの「MIT Sloan Fellows program」と統合さされるんだって。歴史の長いプログラムだけに、これにはびっくりした。理由は、下記のとおりだそうです。
歴史の長い教育プログラムであっても、時代に応じて継続的に変化させる。言うのはとっても簡単ですが、なかなかできることではありません。事実、内部には相当の反発もあるのだとか。 でも、特に3)のような発想は、さすがスローンだな、と思う。大学が、自分の提供している教育プログラムについて、「外からどう見えているのか」「外からは何がウリに見えるのか」を意識することは、とっても重要だと思いました。ユーザーサイドからの「見え」を意識するっていうのかな。これも、言うのはとっても簡単だけど、なかなかできることではない。 --- ともかく、楽しい会でした。 2004/05/09 緑があれば子は育つ 先日5月5日、日本では、カミサンの友人たちによる、恒例の「パーティ(うーむ、パーティというと、何だかスカした気分がするが、要は単なる飲み会)」が開かれたらしい。今回はもちろんカミサンだけが参加した。 聞くところに寄ると、今回のパーティも大いに盛り上がったとのこと。 ホスト役の奥様は - 彼女は大のワイン好き - これまた恒例の「Throwing up(Throwing upというと、なんかスカした感じだが、要するにゲロ)」をなさったとか。 まぁ、彼女にとってはいつものことだから、驚くにたらない。が、今度あったら、「Throw upされてしまった、今は亡きぶどうさん」たちに懺悔するよう、説教をするつもりである。 ところで、今回のパーティでは、「将来的にどこで子どもを育てたいか」というのが話題のひとつになったらしい。 僕たちは、まだそういう話および予定は、微塵にもないが、そうでない人たちもいるのだ。 で、その話の中で「緑のあるところで子どもを育てたい」という願いが、何人かの人たちから語られたらしい。「緑のあるところで、子どもを育てれば、よい人間に育つのだ」という。 もちろん、「緑のないところで、コンクリートに囲まれたところで子どもを育てたいか?」と聞かれれば、「そうですね、コンクリート最高!」んて、目をキラキラさせる変人はそういるものじゃない。ということは、この願いは、否定しようのない、ひとつの「神話」であるとも言える。 よく考えてみれば、「緑のあるところで子どもを育てれば、よい人間になる」のなら、僕の実家あたりの人たちは、みんな「よい人間」ということになる。北海道は、過剰なほどに「いい人」だらけということになる、なんせかんせ、緑だらけなんだから。
この話を聞いたとき、まっさきに上記のような「松河君@大阪大学的へりくつ」を考えつき、思わずみんなにそれを伝えたくなったのだが、なにせこちらはボストンにいるので、それはかなうはずもない。彼らとの話は、お互い酔っぱらっているせいか、いつも非常に楽しい。が、今回は残念ながら「聞く」だけになってしまった。 クソー、オレがいない間に楽しみやがって、チクショー。 2004/05/08 講義 最近、寝る前に「講義」を聞くことが多い。もちろん、ハーバードやMITに忍び込んで聴講しているわけではない。日本の大学で公開されているビデオ・オン・デマンドの講義を、密かに聞いているのである。 僕がよく聞いているのは、下記のサイトだ。
先日は、村井純先生の学部向けの講義を聴いていて、思わず熱くなった。「インターネット概論」という講義の冒頭で、先生はこうおっしゃっていた。
きっと、僕が学部時代にこう言われたら、「ぬぬぬ、そうか、じゃあやるしかないな」と見事に乗せられ、頑張ろうと思っただろうなぁ、なんて考えていた。 これらのサイトの僕の利用の仕方は、どちらかというと、自分の知らない領域で何か関連するものはないかな、と調べたり感じなんだけど、アメリカにいても、そういう利用ができるってのは、ホントウにありがたい。 --- 追伸.
2004/05/07 冬のソナタ 「冬のソナタをすべて見終わった」という連絡がカミサンからきた。「冬のソナタ」は、昨年から今年にかけて大流行している韓国純愛ドラマ。主演のペ=ヨンジュン(ヨン様)は、日本でも大変な人気になっている。ちょっと前のAERAには、ヨン様の特集が組まれていた。 僕も一話だけ見たことがあるが、死ぬほどセリフが臭かったのが印象的だった。たとえば下記のようなセリフ。
聞いた瞬間に、腰が砕けて、中から「何か」がでてきそうな感じだな。 でも、このドラマ、女性にはなぜかウケがよいのだという。脚本がややこしく、ひねりまくった日本のドラマに疲れた女性の心をしっかりつかむコワザがあるのだろうか、それはそれは不思議なことである。 カミサンは、「冬のソナタ」をブロードバンド(インターネット)のビデオ・オン・デマンドサービスで見たという。5月3日の夜は朝5時まで、4日は朝10時におきて、夜1時まで、ぶっとおしでの視聴だったそうだ。思い切りハマッて、穴から抜けられなくなったのだろう。まぁ、お休みなんだから、いいと思う。
今年のGWには、このサービスを利用して、全話制覇した女性が何人いたんだろうなと思う。それにしても、便利な世の中だ。 2004/05/06 変わる労働 ハーバード大学教育大学院で開催された「Computers, off-shoring, the future of American work」という講演にいってきた。この講演の主旨は、「コンピュータなどの情報通信テクノロジーによって、アメリカ人の労働のスタイルがどのように変化するか」というものであった。 下記、その際のメモ。
アメリカの労働がドラスティックに変化しているというのは、前にも聞いたことのある話だった。 たとえば、クレーム処理などを行うテレホンアポインターは、アメリカから消えゆく労働のひとつである。アメリカ企業は、アメリカ人をテレホンアポインターとして雇うよりも、賃金の安いインドやオーストラリアで現地の女性を雇用し始めているのだという。 本講演は、そのような「変動」を実感することができた。ドラッカーの言葉でいうならば、「ナレッジワーカー」に対する需要、社会的養成がさらに強まると言うことであろう。彼らの近著は下記のとおり。 筆者らが教育に対する処方箋として提出している「Expert thinking」や「Complex communication」の概念には、やや安易な感は否めないとしても、これから起こる問題に注意を喚起している点は、なかなか考えさせられた。 アメリカはこう変わるのだという。 2004/05/05 プロジェクト 最近、にわかに忙しくなっているので(深夜のテレビ会議・・・これは想像以上にとても疲れる)、現在進めている / 関与しているプロジェクトを整理してみた。
この他にも、酒井君@東京大学がマネジメントする「王様研究会」などもあるし、ちなみに、NIME内の業務は別途ある。
上記でわかるとおり、すべてが中心的に関与するわけではない。しかし、どうも今年は「境目」らしく、ほとんどのプロジェクトがはじまったばかり、あるいは、もうはじまる寸前の状態にある。 経験上、プロジェクトの成功 / 不成功の80%は最初に決まってしまうことが多い。 追伸. 追伸2. 追伸3. 2004/05/04 給湯器 東京の自宅の給湯器が壊れ、シャワーがでない、とカミサンから連絡がはいった。 どうも、給湯器の「燃焼ボタン」を押していても、すぐにスイッチが自動的にきれてしまい、温水がでないらしい。ちょっと前から調子が悪かったのに、「燃焼ボタン」を連打するという姑息な手段で、だましだまし使っていたのだが、ついに天に召され、うんともすんとも言わなくなってしまったとのこと。シャワーからは、冷水が勢いよく、そしてむなしくでるばかり。 時はゴールデンウィーク。マンションの一階には無常にも以下のような張り紙がはってあるとか。
カミサンの話を聞いていて、ふいに数年前の悪夢を思い出した。そう、あれはNIMEに就職した直後、「ハトのフンだらけの官舎」に入居したときのこと。そこもやっぱりシャワーがでなくって、しょーがないから、ヤカンでお湯をわかして水でぬるくして、髪の毛やカラダを洗ったっけ。 あぁ・・・社会人てなんてツライんだろうと思ったよ。悔しさかみしめたね、唇をかんだわ。ヤカンもって、流しと風呂場を素っ裸で往復するのは屈辱ですらあったな。 ともかく、うちのカミサンは5月10日まで、「ヤカン風呂」の刑にあっていることだろう。 仕事から疲れて帰ってきて、何が悲しくて、何度も何度もヤカンでお湯わかして、風呂場と流しをいったりきたりせなアカンねん、とどつきたくなる気持ちはわかる。ホントウにかわいそうだとは思う。 しかし、同時に、その愉快な光景を見ることができないことを、残念にも思う。はやく修理しろっていってただろ、オレは。 カミサン臭ったら、誰かこっそり指摘してあげてね。
今日の笑ってしまった一言大賞は、寺嶋君@京都外国語大学の日記です。下記に引用。
女の子ではいなそうだよなー。反対に男はいそうだけど。 2004/05/03 スウェーデン 昨日より、ボストンの自宅には、ボッセさん・綾ちゃん夫妻が遊びにきている。綾ちゃんは、僕と同じ高校を卒業し、4年前にスウェーデン人のボッセさんと結婚。現在は、ストックホルムの郊外に暮らしている。二人でアメリカ旅行するのははじめてとのことで、是非、この滞在中に、ボストンやニューヨークをEnjoyしてほしいと思う。 綾ちゃん・ボッセとオーボンパン前にて ところで、今日、彼らと話していてびっくりしたことに、スウェーデンの税金の高さがあった。まー、北欧の国々は税金が高いことはあらかじめ知っていたけれども、まさか給与の30%が税金でもっていかれ、さらにはモノを買ったときには、25%の消費税がとられるとは思わなかった。 これ高すぎない? まぁ、そのおかげで、スウェーデンの高等教育は原則的に無料・・・いやいや、無料どころか在学期間、数万円の生活費まで保証してくれるし、一時は、「高福祉国家」と言われるまでに充実した福祉サービス、医療サービスが受けられたという。 うーむ、そこまでしてくれるのだったら、一瞬仕方ないかとも思ってしまいそうになるんだけど、でもなー、所得の再分配があまりにも行き過ぎていて、働いた成果が自分の生活になかなか反映しないっていうのもなぁ・・・これ、考えものだなぁと思った。 だって、自分が学生やお年寄りだったらよいけど、僕らみたいな年齢の働き盛りの人だったら、こりゃタマランわってことになると思う、少なくとも僕はケツのアナが小さな人間なので、そう思ってしまう。 ちなみに、教育、福祉、医療などを重視した、上記のような政策には、少しずつ陰りも見え始めているらしい。 たとえば教育の場合、この制度を利用してスウェーデンに留学する中国系の人々があとをたたず、社会問題になっているらしい。また、福祉サービスは、年々低下しているとか。 世の中は広い。 2004/05/02 春のボストン散歩 しつこいかもしれないが、僕は散歩が好きだ。とても好きだ。 今日の日記では、僕の散歩コースを紹介。ようやく暖かくなってきた「ボストンの春」の様子がうかがい知れるのではないだろうか。
2004/05/01 オンライン教育の今 4月25日のニューヨークタイムズ(日曜版)には、オンライン教育の特集が組まれていた。先日、田口さんから教えてもらって、僕も読んでみた。下記に、オモシロかった記事をまとめておいた。おそらく、数字とかは最新のデータになるのではないかな、と思う。
オンライン教育、確実に伸びているようですね。一時期は、ドットコムバブルで終焉だと言われていましたが、普及してきているようです。 だいたい、新しいテクノロジーがヨノナカにでたときって、だいたいこんなものなのです。最初は「めちゃくちゃ」注目されて、バラ色テクノロジーに描かれる。次に、過剰すぎた期待が裏切られて、「最悪の裏切り者」だと思われる。で、知らないうちに少しずつ普及する。要するに人は熱しやすくさめやすい。流されないことが重要ですね。 次にオンライン教育と学歴の問題。これは、ホントウにムズカシイ問題ですよね。一般化して考えることはできないと思うんです。オンラインだからダメ、対面だったOKとかって。 「オンライン教育=質が低い」と断定してしまうことは簡単です。でも、皆さん、胸に手をあてて考えてみてください。 あなたが、大学の学部で受けた授業は対面授業だったはずですが、それを思い浮かべて、すべてがすべて「対面教育=質が高い」と断定できるでしょうか? よい授業もあるし、そうでないものもある。アタリマエのことです。で、このことはオンライン教育にも言えることではないでしょうか。 研究的に言いますと、オンライン教育が対面授業と同等の効果をもつという先行研究は腐るほどあります。もちろん、オンライン教育の方が劣っているので、対面授業と組み合わせるべきだ、という議論もあります。研究者によって意見が異なるので、一概には言えないのですが、最近では、「キチンと教授デザインされたオンライン教育は対面教育と同等の効果をもつ」という認識が広まっているようです。 こう考えると、さらにわからなくなってきますね。 結局は、個人が自分のニーズに応じて、大学を選ぶ時代、大学選びに責任とリスクをもつ時代になってきているのかもしれません。 下記は参考までに
|
NAKAHARA,Jun
All
Right Reserved. 1996 -