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2003/03/31 身の毛もヨダツ 身の毛もヨダツようなネンドマツがようやく終わろうとしている。 先日の日記では、「あー、はじめて原稿落としちゃったよ!」と嘆いていたが、それもつかの間。まだマシよ・・・。参加を楽しみにしていた山内研究室の合宿まで、ナント、スケジュール管理ミスで、参加できなくなってしまう。一日ズレていたんだな・・・合宿の開催日が。 「付箋紙」と「アウトルック」で完全スケジュール管理を目指していたのに、このネンドマツで2個もスケジューリング・ミスをしてしまうとは・・・トホホ。 山内さん、山内研究室の方々には、この場を借りてお詫びしたい。申し訳ございませんでした。 それにしても、このネンドマツはキツカッタ。ひとえに僕の作業量の見積もりミスと、自分のキャパシティの過信から、これらの事態をまねいた。 来年は、ここまで追い込まれないように、何とか対策をうちたい。さよなら、平成14年度! 2003/03/25 選択、配分、リスク...想像力 ある一点に局所的に情報、その他の資源、タスクが集まるような組織、あるいは内部のモラルハザードのためにある一点に局所的にそれらが集まらざるを得ないような組織は、非常に大きなリスクを負っている。 「ある一点」がブレークダウンを起こした際には、しかし、様々なモノが集中しているが故に、ブレークダウンをおこす確率が非常に大きい「一点」であるのだが、その際には、全体の秩序が雪崩のように崩壊に向かう。 あるいは完全に崩壊には向かわなかったとしても、その組織のパフォーマンスの少なくない一部分は「ある一点」のパフォーマンスに由来するものであるが故に、組織全体のパフォーマンスを著しく低下させることになる。 まずは冷たいアタマで「選択」と「配分」をおこなうことである。 どこに情報が流れているか、どこに資源を集中させるべきか、今与えるべきタスクとは何なのか。集中させすぎてはいないか、不足を起こしているのではないか。それらの思考のもとに、不確実きわまる条件下で、明確な意志決定をおこない、リスクを低減させるべきである。 こうした作業は骨が折れる。If-thenルールが幾重にも重なった問題解決をおこなうプロセスそのものであるからである。いや、If-thenのような命題的表現がおこなわれている場合は、まだましだ。想像力をフルに働かせる必要がある。 結局、最後はそこなのだ。そこなんだろうなぁ・・・とため息がでる。 2003/03/23 セサミストリート研究会 昨日、関西大学で開催されたセサミストリート研究会に参加した。この研究会を開いてくれた稲垣君(現所属は関西大学大学院、数日後には東北学院大学)に感謝します。研究会には、甲南女子大学の上田先生、吉田さん、国立民族博物館の佐藤さん、関西大学の中橋君、松本君、稲垣君、寺嶋くん、富士通ラーニングメディアの三輪くん、NHKの服部さん、カミサンと僕が参加した。 参考図書は、以下のとおり 以下、セサミストリート研究会での僕のメモ -----
----- 来年度から1年間<評価にこだわる研究会>を立ち上げるので、今回の勉強会はとってもためになった。 ハイパーメディアでも、マルチメディアでも、フルデジタルカリキュラムでも、CSCLでも、eラーニングでも、何でも人の好きによべばいいと思うけど、今、「テクノロジーと学習」の研究、実践の現場では、今多くの人々によって「評価」が注目され、それをアタリマエにやっていける様々な条件の整備が求められている、と僕は思う。 セサミストリートが生み出される頃、それにかかわっていた人々のスピリットと知見を、今、自分は、自身の研究にどのように活かせるか。 動きの中で考えろ!>自分 2003/03/21 ファシリテーション 本日は、Cool2003を更新したので、それを再掲載。 昨今、オンラインコミュニティの維持、ワークショップにおける活動の維持を担う人に注目があつまっていますね。いわゆる、モデレーションとかコーディネーションとかいわれる活動だ。要するに、人々の活動にプロンプトをあたえ、整理し、まとめていく活動をさします。 ちょっと前からでしょうか、ビジネスレイヤーから、「ファシリテーション」という概念でこれらに関する本が出版されていて、参考になるので、ご紹介。「会議の進行」とか、「論理的思考」とか、いかにもビジネスレイヤーからでてきました!という感じのトーンですが、体系的にまとめてあるし、一部ワークショップとかについても触れられている。参考になります。
2003/03/21 意味 Learning & Management研究会に参加するため、電車の中で半分車酔いしながらレジュメを作成する。今回僕が担当したのは、「無印良品」で有名な蒲ヌ品計画の事例だった。 良品計画には、それほど突出したコア技術や特許などはない。無印良品の「シンプル」かつ「ナチュラル」でいて「知的」という商品イメージ、コンセプト、企業アイデンティティこそが彼らにとっての資産である。 もちろん、そうした資産は一朝一夕で生まれたものではない。そうした資産、いわゆる無形な「意味」を顧客とのインタラクションによって構成できることこそが、彼らの強みである。 今日僕がレジュメに書いた内容はこんな話であった。月並みな言葉を用いていえば、原初的なCRMの理想をあらわした事例であるともいえるかもしれない。 良品計画にできて、他の企業にはマネのできないことというのは、人を魅了する「意味」を一貫して、他者とのインタラクションを通じてつくりだすことである。 インタラクションにまかせるだけでそれはできない。他者のコトバや意向にマルナゲドンでモノができたら、苦労する人はいない。 めざすは、ディテールのよくつくりこまれた一貫した意味の体系である。意味の体系が一貫していなければ、人を魅了することはできない。 意味をつくりだすというのは、それほどシビアなことである。そしてそのシビアさゆえに、それがいったん確立され、流通しはじめると、それほど強い武器になるものはない。 追伸. 2003/03/18 失礼なヤツ 失礼なヤツもいるものだ! ちょっと前のことになるけど、僕が国際線で白ワインを飲んでいたら、隣の人が話しかけてきたがあった。
僕は赤ワインよりも白ワインの方が実は好きで、そのとき飲んでいたのはお気に入りのシャルドネ種だったから、こう答えた。
そしたらさ、聞いてくれよ、かの人は僕にハナで笑ってこう言ったんだな。
悪いの、「しょんべん」が好きで? 前にも言ったけど、こういうワイン好きなヤツって、僕大嫌い。否、ワイン好きっていうんじゃないんだろうな、「ワイン知ったかぶり」っていうのかな。否、違うな、人としてマズイよ、この言いぐさは。
あー気分悪い。 2003/03/17 近況 14日 京都までの新幹線中、原稿書き。終わらない、どうしても終わらない。お昼、滋賀大学の鈴木さん、兵庫教育大学の永田さんとランチ・ミーティング。その後、西森さん、笠井さんをまじえて、来年度のProject MATEの研究計画について全員でうち合わせ。夜は、鈴木さんのアレンジしてくださった京都料理のお店で、鈴木さんのD論提出のお祝いをかねて食事。 15日 京都大学にて開催された大学教育研究集会に参加。exCampus プロジェクトについて報告させていただいた。その後、けいはんなにある大川センターCAMPで開催されている日本教育工学会春の合宿(Feel
the workshop)に参加。甲南女子大学の上田先生ほか、ワークショップのバックステージのスタッフの方々、ワークショップ参加者から多大なるインスピレーションとアイデア、そして少しの勇気をもらった。 16日 引き続きワークショップに参加。その後、東大の酒井君、並木さんらと帰京。帰ってきて久方ぶりにカミサンと食事。食事後入浴。しかし、湯船で死んだように眠る。もう少しで窒息寸前。目の下のクマを退治するため、化粧水をひたしたガーゼ?を目におくという民間療法?をカミサン提案。そのまま爆睡。少しマトモになったようだ。 今週はスーツ着ることが多い。 2003/03/15 教材
あなたが教育関係の方なら、これら問いをまわりの5人になげかけてみてください。5人が5人違うことはないかもしれないけれど、教材に関してみんなが持っているイメージがどれだけ違っているかがわかると思います。 ある人は、教科書を教材というかもしれない。資料集をあげる人もいるでしょう。ビデオとかテレビ番組をあげる人もいるでしょうね。はてにはWebページ、Webページのリンク集、レポート課題なども教材とよばれることがあります。 さらに次の問いを重ねると、事態はもっと複雑になるはずです。
同じ教材を例にあげたとしても、人によって、思い浮かべる利用シーンは違うことが多いと思います。利用シーンが思い浮かばない人もいるかもしれない。
今、ここで再びこの問いに立ち返り、形而上学的に追求することは、本意ではないのでやめますが、ひとつだけ注意した方がいいことがあります。 あなたが教材開発にたずさわるとき、たとえば、eラーニング教材をつくるとき、これらの基本的な問いに関してチームで理解を「ある程度」共有した方がいいと思います。「教材」を「コンテンツ」と言い換えても結構です。
こういう基本的な問いをないがしろにすると、あとになって、「あれ、何がゴールなんだっけ?」「どういう学習が生まれたらOKなんだっけ」という風になってしまいがちです。
2003/03/13 目がけいれんする 目がピクピクとけいれんする。 2003/03/12 大人の学習を語る言葉 夏のセミナーの件で、イーブリッジの井澤さんとお逢いした。社会人大学院、企業内教育など、社会人が学ぶための「機会」と「場所」に何が必要なのかについて意見を交換した。というよりも、またまた<新春大放談>してしまった。毎日のように「春」だな、僕は。 井澤さんとお話ししていて、いろんなことを僕なりに考えた。 くどいようだけど、大人だって、老人だって、うちのオカンだってオトンだって、学習者である。毎日毎日学んでいる。だけれども、人はいったん成人してしまうと、「学ぶ存在」としてではなく、「学び終わった存在」として取り扱われていたように思う。 こんなことを言うと、またまた便所スリッパでどつかれそうだが、否、どつかれるんじゃなくて、目つぶしをくらいそうだけど、教育学は「学習者としての大人」にこれまであまり注目してこなかったように思う。否、注目した人はいたんだろうけど、これまで多くの研究者に語られるものではなかった。 そしてその結果、こと「オトナの学習」に関する限り、今、どういう事態になっているか。 高等教育なら高等教育、企業内教育なら企業内教育という風にセクションが区切られ、そこに関係する人々がそれぞれに、そこでの学習を語る言葉、語り口を発展させていった。その領域ごとにジャーゴンが発展した。 その結果、同じコトを言っているのにもかかわらず、「こっちでは○○といいまっせ」「いやいや、こっちでは▽▽のことでっせ」という風に、なかなか相互に意味を交換できない事態が頻繁に起こるようになってきた。 それぞれが棲み分けできた時代はそれでよかったのかもしれないが、知識社会という時代は、その問題をいやがおうでも顕在化させた。先日ミュンヘンでおとずれたシーメンス社のデータでは、同社の売り上げの75%は、同社が5年以内に生み出したイノベーションの結果であるという。 様々な人々のチエを結集して、断続的なイノベーションをうみだすことが、今、求められており、そのための学習の場を情報通信技術をうまく取り入れ、つくりだすことが、みんなの関心となった社会では、領域は無化されようとしている。 これまで高等教育や企業内教育という縦に分断されていた「大人の学習」に、テクノロジーという横糸が入ることで、その「失われた交差」に生まれる「何か」を語る言葉が必要になっている。 これまで語られることの少なかった、大人の学習を語る言葉が欲しい。それがないならば、みんなでチエをしぼって考えてつくるしかない。最初から完全なモノなんてできないだろうけど、そこに生まれる「何か」を語りあうことからはじめられればと思う。 井澤さんとはこんな話をしていた。 2003/03/11 不良債権 これまで僕は締め切りを守ることを、自分のポリシーとしてきた。「付箋紙」と「Outlook」を駆使してスケジュール管理を徹底してきたつもりだ。たぶん、今まで、原稿でも、開発でも、ほとんど締め切りを破ったことはないはず。ご愛敬程度のものならばあるかもしれないけど、一週間前、少なくとも数日前にはすべて仕事をこなしてきたつもりだ。 ところが・・・でも、とうとうやぶってしまった・・・。やっちゃった・・・わたくしとしたことが・・・。 でも、怖いのは、これからなんだ。3月、2月からどんどんと増えてきた仕事が日々不良債権化していて、どんどんと雪だるま式にたまっている。さぼっているわけではないんだけど、次から次から、何かがでてきて、いっこうに減らない。 昨日帰国したばかりだというのに、不良債権が膨らむ夢をみちゃったので、怖くなって眠れなかった。今、朝の5時55分、でも仕事が終わらない・・・トホホ。 今年度はもう自転車操業。つまりは、走りきるしかない。来年度は「仕事のやりかた」の構造改革をはからなければならない、と思う。 2003/03/10 近況 今日、ある人に言われて驚きました。
おーのー。うっかり八兵衛的な忘却です。あまりにも忙しくてすっかり日記のことを忘れていました。考えてみたら、2月24日から書いてなかったんだよね。あー。 もちろん、その間、遊んでいたわけじゃなくて、ホントウに「ジェットコースター」にのっているように過ごしていました。若干、最近、自分の仕事量が僕のキャパを上回っていて、どうもまわっていない気もするし、それでみんなに迷惑をかけちゃったりしているところが多いな、と思うんだけど、頑張るしかないですね。 この期間で、一番大きかった出来事は、やはり、3月2日から10日までドイツ・フィンランドにいっていたことでしょうか。 はこだて未来大学の美馬さん、文部科学省生涯学習局の関根さん(関根さんは僕と同じ高校「旭川東高校」のご卒業でした・・・高校の話題で結構盛り上がった)にご一緒させていただき、両国の様々な研究機関・民間会社を回りました。 今回の調査の目的は、ずばり「携帯情報端末の教育現場での利用」についてです。僕、学習ツールとしての携帯電話には注目していて、去年も、iTreeというソフトを開発したりしていましたので、これはものすごく勉強になった。 ほとんどの訪問地で、自分の研究のプレゼンテーションを英語でやって、自分の英語力のなさは痛いほど身にしみたけど、でも、本当にスリリングでした。エキサイティングなディスカッションなんかもあって、そういう意味ではものすごく自分の経験値がたまったかも。
というわけで、ものすごくフルーティフルな経験をさせてもらいました。この場を借りて、美馬さんと関根さんにはお礼申し上げます。ありがとうございました。 最後に近況で嬉しいことひとつ。ようやく社会人大学院本がNHK出版「生活人新書」として出版されました。 僕は1章、2章、3章を書いています。社会人大学院の今を知りたい方、社会人大学院生がどのような学びをしているのかに興味のある方がいらっしゃったら、是非、ご一読いただければ幸いです。感想とか聞かせていただければ嬉しいですね。 あと、そうだ、そうだ、これで最後。2月21日におこなわれたexCampus記者発表会の様子の写真を、田口さんにもらいました。田口さん、ありがとう。
そして人生は続く。 |
NAKAHARA,Jun
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