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2002/07/02 at
your own risk
アメリカは、「at your own risk」の国である。 この国を訪れたことのある方なら、ご存じのとおり、この言葉は、街中の至る所に見ることができる。 先日滞在していたデンバーのホテルには、フィットネスクラブがあったが、ここでも、その言葉に出会った。さていっちょ走ろうか、と思ったときに、ランニングマシンのインストラクションに目をやると、「available at your own risk」というクダリを発見したのだ。 要するに、
と宣言しているのである。 客にランニングマシンを利用させることにさえリスク管理を怠らない。何をするのにも、リスクは常に起こりうるものという考え方が浸透しているからである。 リスクのことを触れられると、「そんなことおこるわけないじゃん」と言ってみたり、「そういうことにならないようにするべきだ」とお説教をたれてみたり、「そんなことわかるわけないじゃないか!」と逆ギレすることの多いどこぞのクニの人たちも、少しは見習ってほしい、と切に思う。そもそも、そういう問題じゃないんだ、リスク管理っていうのは。 しかし考えてみれば、リスクを常に想定して管理しなければならない社会というのは、よい社会なのかというと、一概にはそうもいえない。 要するに、他人や社会全体に対する信頼性が低いということを意味しているからである。そういう社会は、社会全体を維持されるためのコストが大きくなる傾向がある。たとえば、過度のドキュメンテーション。だから契約社会、訴訟社会になる。 at your own risk アメリカを訪れるたび、僕はこのクニにあこがれに似た正の感情と、あきらめににた負の感情を、同時に経験する。 2002/07/05 NIMEにはこんな場所もある、編集 6月8日・9日に実施した「Webを活用した学習環境デザイン研修」の編集作業に、先日から立ち会っている。D3で撮影した3本のVを1本にまとめる作業です。実際に、「つぎ、この絵でいきましょうー」なんてやっています。で、これ、どこでやっているかっていうと、実はNIMEの中なのです。 あんまりよく知られていないんだけど、NIMEには、グリーンスタジオ、ブルースタジオという2個のスタジオと、ECS作業のできる場所が3つあるらしい。あるよ、あるよとは聞いていたけど、こんなに本格的なものがあるとは知りませんでした。
なかなかフツウではできない経験をさせてもらいました。大変だったけど、この研修、楽しかった。今回のVTRはNIMEワールドという国際教育チャンネルで世界に配信されます。 NHKテクニカルサービスの方々、そして研修係の西田さん、牧田さん。今回の研修を裏で支えてくれたみなさん、どうもありがとう。 2002/07/22 結婚式 ここまで日記を書かなかったのも、はじめてのことではないか、と思います。ご無沙汰しておりました。 この間、公私共々、本当にいろんなことがありました。 プライベートでは一年遅れの結婚式をハワイ、コオリナ・チャペルであげました。 国内で結婚式というと、式次第の3分の2がエライ人たちのとってもオモシロスギル挨拶ってことになるのかもしれませんが、海外挙式はよかった。 この経験は筆舌につきる、感動しました。 僕がたとえ小説家なみの描写力をもっていたとしても、適切なレトリックとメタファで、それを表現することはできないでしょう。語り得ぬものについては沈黙しなければなりません。 これから結婚式をやる人には、海外挙式、とてもいいと思います。オススメします。 帰国後、翌日からは早速仕事でした。今年、NIMEで開発するWBT教材の会議にでました、これは休日無給出勤、涙。その次の日にはD論指導、翌日には今年のメインディッシュプロジェクトの開発物の仕様策定会議、その後は大阪出張でした。忙しい。 今週は特許の会議、あるファンドへのプロポーザル策定、経済産業省のAsia e-Learning Networkの国際会議への出席と、ガシガシ予定が続きます。週末にはメディアリテラシープロジェクト(MELL Project)の合宿にも参加します。 なんだかかんだか、今年の夏も、暑くなってきました、そして僕も忙しくなってきました。 2002/07/23 communispace 先日、LOT研究会で読んだWengerのシェアウェアレポート。コミュニティウェアをいろいろと分類したり、整理したりしていました。 学問的にどうこうというわけではないんですが、僕個人としてはとってもオモシロかった。 そこでWengerが一番オススメしていたのが、このコミュニティシステムなんだよね。
このソフトの特徴は、以下のとおりです。 僕個人としては、こういうコミュニティウェアって基本機能はもう出尽くしているところはあるので、基本的な機能がチョイスできるようなプレーンな環境があれば、あとはそれをどう使用するか(useware)ってことにミソがあるんだと思うし、CoPのマネージャーの真価が問われるんだと思います。 もちろん新規機能の開発は必要なんだろうけど、メディアの進化に従ってすすめなきゃならない。でも、もうこの部分では差異化しにくいんじゃないかな。 なんだかさ、e-Learingとかの研究会とかにいくと、よく「Web○TとBlackb○ard」の違いに詳しいオジサンとかがいて、どっちがいいだの、あっちがいいだのと言っているんだけど、僕に言わせれば、「どっちでもいいんだってーの、そんなの!」。 それは一見とってもドロクサイソリューションの提示の仕方かもしれないけど、実践を成立させるにはそこが一番問われる部分ではないかな、と思います。 2002/07/25 Asia e-Learning Network 経済産業省の主導するアジアを対象にしたe-Learning Project(AENプロジェクト)の国際会議が、先日都内某ホテルで開かれました。 一色さん、山内さん@東京大学がプロジェクトリーダを努めるシンガポールのNTUと東大のプロジェクトに、ナカハラも及ばずながら参加することになりました。その関係で、24日と25日は、ずっとホテルでNTUのタンさん、リムさんと会議でした。 考えてみたら国際共同プロジェクトに参加するのは、ナカハラ、初めてで大変勉強になりました。英語ですべて交渉するっていうのは大変だけど、スリリングでリスキーで、なかなか楽しい。 会議が終わったあとは、タンさん、リムさんと一緒にカラオケにいきました。新橋で歌った、歌った。国際交流とはこういうことを言うのです。 まぁ、ともかくAENプロジェクトの皆様、お疲れさま。 2002/07/30 先日、長野研でMedia Expression Learning Literacyプロジェクトの合宿が開かれました。非常に多様なメディア実践が花開きそうな予感でした。合宿には、2年前に参加したのですが、参加者も2倍近くになっていた。ディスカッションはすごいパワーです。
2日目の夜には、上田先生@甲南女子大学、須永先生@多摩美術大学に久しぶりにお逢いし、いろいろな話をしました。両先生と山内さんと中原の4人で、学習モデルをレゴで表現する、という即席ワークショップ(?)もやりました、かなり酔っぱらっていたし楽しかった。もしかすると、よい理論はレゴで表現できるのかな、とも思いました。 |
NAKAHARA,Jun
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